はじめに
物流改善とコスト削減は、経営の大きなテーマの一つです。
しかし、多くの企業が挑戦し、なかなか成果を出せないのはなぜでしょうか?
経営層や物流責任者の皆様へ、本記事では、その根本的な原因と、今すぐ取り組める実践的な方法を紹介します。一流の専門家としての視点で、あなたのビジネスの物流戦略を一歩先に進めるヒントを提供します。
また物流コンサルタントとして、最適な物流戦略の立案と実行を是非サポートさせてください。
ご興味があれば、是非お声がけください。
なぜ?物流改善、コスト削減は進まないのか? 4つの原因
物流改善やコスト削減に、日々取り組んでいる物流マンの皆さんにとって、一番の悩みは、この1点です。「なぜ物流改善のタスクが実行されないのか?」
そして、続けて下記のような考えが浮かんできてしまいます。
なぜ部下社員は改善活動を期日通りに進めてくれないのか?
なぜ倉庫内作業員は改善さえたフローをやってくれないのか?
なぜ今まで出来た事が出来なくなっているのか?
なぜ優先順位の低い改善活動が実行されているのか?
なぜ物流現場社員は積極的に改善活動を実行する気がないのか?
なぜコスト削減のタスク実行が風化してストップしまうのか?
なぜコスト削減の意識が倉庫内スタッフに浸透しないのか?
物流現場改善が進まない理由①
一つ目は、物流現場社員・スタッフの「主業務が改善ではない」からです。物流現場社員・スタッフの主業務は、毎日朝から夕方までのタイムチャートに基づいたルーチン業務(定型業務)です。
まずは物流現場社員とスタッフの特性を理解した上で、改善の取り組みを推し進めていきましょう。
・物流メンバーの多くは、日々の物流現場業務で、多くの時間を割いている
・物流メンバーの多くは、受け身の仕事(下流工程の業務)と認識している
・物流メンバーの多くは、現状容認バイアスが強く働いている
物流現場で働く社員・スタッフは、生産性・収支の関係上、最適なメンバー数で構成されています。
多くの場合、物流改善活動業務は計画的ではなく、業務量が少ない時の日中や夕方に行ってくださいという指示となっている場合が多いです。上記の中でも現場社員の意欲が高い場合は、自走的に改善が進む場合もあるかと思いますが、現場改善の主役は、社員の部下のスタッフである場合が多いかと思われます。
改善業務を社員だけでなく、スタッフも計画的に時間を空けて、物流改善活動に取り組んでいる場合は非常に少ないかと思います。
物流現場改善が進まない理由②
二つ目は、具体的な「物流現場改善アイデアがでない」からです。
物流現場改善アイデアは、日々業務をしている社員・スタッフの中で自己発生的に出てくる事もあります。自己発生的に出てくるアイデアは、とても狭義なアイデア、または表面的・短絡的なアイデアである可能性も高いです。(現場からの自己発生的アイデアの価値が低いことはなく、もちろん重要性が高い場合もあります。)
一方で、本質的・恒常的・抜本的な改善アイデアは、現場社員・スタッフからは、なかなか出にくい状況にあると思います。それは下記の要素が複雑に絡み合っているからです。
・問題解決メソッドを理解し、実行するスキルが少ない。
・物流現場改善の経験が少ない。
・物流現場改善の手法の視野が狭い。
・自社の明確な物流コストの見える化・数値化が理解できていない。
・自社の明確な物流コストの目標設定をしていない。理解していない。
・物流庫内作業や物流各種経費のコスト削減意識が低い。
・自社の物流サービスレベルの客観数値が理解できていない。
・自社の物流サービスレベルの目標設定をしていない。
・物流庫内作業リソースの把握・戦力化が理解できていない。
物流現場改善が進まない理由③
三つ目は、「成果が出るまでやり続けない、続けられない」からです。
この点は、物流現場責任者・社員・スタッフにとっての大きなジレンマとなっています。実は、成果が出るまでやり続けないに含まれる意味は二つあります。
・単純に途中で諦めている
・実行している途中で、現場状況が変わってしまっている
他の記事でも何度も伝えている所ですが、物流はマーケティング活動の一部であり、販売戦略と密接に関係しています。それは季節プロモーションや広告プロモーション、そして新商品プロモーションなどの確定要素だけでなく、競合他社や出店しているECプラットフォームやリアル出店先イベントなどの不確定要素で状況が常に可変しているという事です。
結果として、現場改善アクションプランを実行している間に、求められる物流サービスや物流業務量・負荷が変化して、その変化に対応することが最優先となり、プランが未完結もしくは状況が変わってプランの成果が出ずらい状況となってしまう事となります。
物流現場改善が進まない理由④
四つ目は、「自分たちだけで現場改善活動の運用をやってしまう」からです。
②では、アイデアがでないという話をしましたが、アイデアが出たとして、現場改善アクションプランの実行を、日々のルーチン業務を実行しながら、持続的に行うことは、とても難易度が高い事です。アイデアが多いこと、やると決めた実行プランが多いこと、無理なスケジュールを、現場責任者が設定してしまうケースがとても多いです。
目の前の課題を痛感しるからこそ、アイデアが出たときは全て完璧に行う事に集中していまう心理はよくわかります。しかしながら、全てが中途半端、またはスケジュールに間に合わないという事がとても不幸な結果となります。不幸な結果の一例としては、改善活動に参加して社員・スタッフの信頼や今後のやる気を無くしてします事です。
物流改善のプロ、物流コンサルティングのプロは、客観的に、実現可能かつ成果につながる最重要なプランを選択して役割分担してスケジュール内で実行を完結させるノウハウを多数もっています。経験だけではなく、コミュニケーションツールやフレームワーク、そして多くの決断とメンバーとの合意形成の重要性を体感しています。
2023年以降の変化が著しい時代、労働力不足の波にのまれないように、適度(長く続けられる物流コンサルティングサービス)な、外部リソースをフルに活用することが重要です。
進まない物流現場改善への対応策
対応策としては、下記の3つがあります。
①物流戦略思考が重要
②長く続けられる外部リソースの活用が必要
③現状の課題をしり、目標設定が重要
対応策①物流改善の成功には、物流戦略思考が重要!
一つ目は、物流改善を戦略的に考えることを初めてください。いきなり難易度が高いと思われるかもしれませんが、難しく考える必要はありません。簡単に始めるポイントは、下記の3つです。
・物流改善の期限を決める
・期限から逆算して、物流改善アクションプランを一覧化する
・重要なアクションプランを選択して、誰がやるのか?を決める
とても単純ですが、期限から決めることが重要です。そして、最短距離で始めていくことが最も重要です。さらに付け加えると、誰がやるのか?を決めるときには、チーム内で話し合って決めることを推奨します。
上記は、実現可能な物流改善を、戦略的思考で初める第一歩となります。ここまで読んでいただいた皆さんは、とてもラッキーです。まずは初めてみましょう。
もっと深く物流改善を進めていきたい、戦略的思考を養っていきたい方は、物流運営形態別の詳しい物流ブログがありますので、是非ご覧ください。
・物販企業で自社で物流運営をしている方へ、物流を委託している方へ
物販企業 物流BLOG→
・3PL物流会社の方へ
3PL物流会社 物流改善ブログ→
対応策②物流改善の成功には、長く続けられる外部リソースの活用が必要
二つ目は、前述しましたが、物流改善のプロ、物流コンサルティングのプロを最大限活用する事です。
物流改善のプロ、物流コンサルティングのプロは、客観的に、実現可能かつ成果につながる最重要なプランを選択して役割分担してスケジュール内で実行を完結させるノウハウを多数もっています。
経験だけではなく、コミュニケーションツールやフレームワーク、そして多くの決断とメンバーとの合意形成の重要性を体感しています。
目的 | フレームワーク |
重要物流改善タスクの選定 | 物流特化の時間管理マトリックス |
物流改善アイデア立案 | 物流改善ロジックツリー |
物流改善実行率向上 | 物流改善タスク管理表 |
コスト削減効果向上 | 「物流コスト見える化」フォーマット |
サービス向上 | 「物流サービスの見える化」フォーマット |
さらに、物流改善の成功確率を高める、物流改善を持続的に続けていくために、有効的な各種ツールの活用にも、長けています。
昨今の物流現場環境も一新しています。ITを駆使して、またはコミュニケーションツールを駆使して、場所、距離、時間、スキル、経験の壁を越えて、成果に直結する解決策を実行する事ができます。
目的 | ツール等 |
プロジェクト管理 | スプレッドシート/各種独自フォーマット |
コミュニケーション強化 | スプレッドシート/独自フォーマット Chatwork・Gmail |
データ収集 | Power Automate(MicrosoftのRPA) ChatGPT(LLM対話型生成AI) |
データ分析 | エクセル/独自分析フォーマット ChatGPT(LLM対話型生成AI) |
また、物流庫内作業改善や生産性向上のための、
物流専用の機械化・ロボット化・システム化・省人化設備の知識と実績経験が豊富です。多くの機械・システム等の設備は、単純に一般的に何が良いか?という事ではなく、自分達の現在・近い将来の課題を解決する為に、どの機械・システムの採用が最適なのか?を検討・決断することとなります。正しい決断には、多くの知識と経験が必要となります。スポット的な課題解決にも、物流のプロ、物流コンサルティングは不可欠です。
対象領域 | 機械・ロボット・システム |
入荷 領域 | スマート入荷システム |
出荷 領域 | デジタルピッキング 自走型ピッキングロボット ソーター自動ロボット 自動搬送機(AGV) |
梱包 領域 | 自動梱包機:複数ダンボール対応型 自動梱包機:メール便サイズ型 |
保管 領域 | 積層ラック、自動格納ラック |
庫内システム 領域 | ASP型WMS、専用開発WMS |
人材活用 領域 | 動画マニュアル、定型業務サポートツール |
しかしながら、良質の物流改善のプロ、物流コンサルティングサービスを選択することも、難しいです。ぜひ一度、下記をご覧いただき、興味がありましたら、お問い合わせください。
・長く続けられる良心価格と実績の「次世代型物流コンサルティングサービス」とは?→
・LogiGadenロジガーデンコンサルティングサービスについて→
*物販企業 様向け コンサルティング menu
*3PL物流会社 様向け コンサルティング menu
*物流委託検討 特化型コンサルティング menu
*物流DX 特化型コンサルティング menu
対応策③物流改善の成功は、現状の物流課題を知り、物流目標設定が重要
上記で、比較的簡単に始められる方法を説明してきました。
その一方で、物流改善を会社組織として、物流人材を育成しながら、持続的に進めていくためには、物流改善の体系化が不可欠となります。半年や1年という短い期間で物流改善は決して終わることはありません。さらに、企業が生き残っていくためには、生存戦略として、事業活動を即時対応型にしていく選択する企業が増えています。まさしく物流は販売戦略や経営戦略と直結しておりますので、事業活動の目まぐるしい変化は、物流の変化が求められることであり、即時対応型の物流を構築していく、または再構築していくことが必須となります。
そのために、重要なことは、「物流改善の体系化」です。
難易度は少し高くなりますが、物流改善の体系化の前準備として、まずは自分自身の現状の物流課題を体系的によく知り、可視化して、それぞれに目標設定をしていくことから始めることを推奨します。何事も、まずは己を知る事からですね。
項目 | 内容 |
現場オペレーション改善関連 | ①物流業務フロー ②物流業務品質 ③物流スピード ④物流業務リソース ⑤物流業務環境整備 |
物流コスト改善 | ⑥物流コスト全体見える化 配送料関連 作業費関連 保管料関連 資材・その他関連 |
基礎物流サービスレベル | ⑦受注締切/休日、配送料価格/配送料無料価格 ⑧モール/顧客からの物流レビュー評価 ⑨繁忙期閑散期別の出荷/入荷リードタイム(遅延実績) |
基礎物流CRM | ⑩梱包資材デザイン/表記、内容物デザイン/表記 ⑪返品対応/表記、受注・出荷情報のバッチ回数・タイミング |
もっと深く物流改善の体系化を知りたい方へ
・物流改善の決定版「プロの物流改善ロジックツリー7選」を公開!→
なぜ?物流改善は進まないのか? まとめ
果たして、物流に携わる人材の中で、
物流戦略が出来る人材、戦略を考えつくしている人材がどれほどいるんでしょうか?
また多様化する物流形態、商材、ビジネスモデルのケーススタディをより多く経験できる機会はどれほどあるのでしょうか?
このブログにおいて、物流戦略・戦術が、物流改善の成功において大きな要因であると解説しましたが物流戦略思考の醸成の道は、恵まれた物流環境に身を置き、またプロ意識高く自己研鑽を重ねていくことが条件であり、その道は非常に険しく、厳しいものであります。
しかしながら、このブログを読んでいただき、少しでも多くの方が物流戦略思考に興味を持ち、日々の物流業務を健全に、且つ、より良い物流を構築してくれるようであれば、それが一番の嬉しい事であるを認識しています。
私達、LogiGaden(ロジガーデン)では、物流ノウハウや情報を発信する「物流ブログ」と、良心価格で長く続けられる「物流コンサルティングサービス」を提供しています。
二つの取組みで、物流に携わる皆様のご支援ができるように努めてまいります!ので、何卒ご愛顧のほど、よろしくお願いします。