はじめに

他の記事にて、物流を委託している物販企業様の最大のメリットは、「物流のプロである委託先の物流会社様の存在」であると解説しました。
一方で、そのメリットを最大化する為には、物販企業様にも努力が必要です。努力では抽象的すぎるかもしれません。努力する為にも、3つの要素を備える必要があります。
それは、まずは「物流戦略人材」の確保・育成です。そして、その人材が「物流改善・サービス開発スキル」と「委託先の物流会社の活用スキル」を備えていくことです。
さて、この記事では、他の記事では説明しきれなかった「物流委託している物販企業の立場に立った最適な物流会社とのコミュニケーション方法」について解説します。

委託先の物流会社とのコミュニケーションの目的と種類について

まずは、そもそも物販企業様にとって、委託先の物流会社様とコミュニケーションを取る目的とは何でしょうか?コミュニケーションを取る必要があるという事は、そこに目的があるからです。
代表的なコミュニケーションの目的が3つあります。(下記は参考となります。各企業様にとって目的の数と種類を考えましょう。)

*通常業務コミュニケーション =円滑な物流オペレーションの通常業務のため
*改善業務コミュニケーション =物流課題の解決・改善のため
*開発業務コミュニケーション =物流サービス開発のため

目的の分類ができたら、次はそれぞれの最適なコミュニケーション頻度コミュニケーション方法を模索してきましょう。そして、その次は各業務ごとの「物販企業様と物流会社様の役割」も整理しましょう。
下記がその一例となります。ご参考ください。

頻度手段
ツール
物販企業の役割
(物流戦略機能)
物流会社の役割
(物流改善&運営機能)
通常業務
打合せ
毎週WEB打合せ
スプレッドシート
物流基本機能の運用・
品質評価・改善依頼→
←物流現場オペレーション
実行&運営
改善業務
打合せ
隔週WEB打合せ
スプレッドシート
物流サービス、コスト削減
の要望・指示 →
←物流改善、最適な物流
コスト提供
開発業務
打合せ
毎月対面打合せ
提案書
スプレッドシート
物流差別化戦略共有、
具体的な要望・指示→
←物流サービス開発、
物流付加価値創造
コミュニケーション一覧化の一例

コミュニケーションの目的毎に整理が完了しましたら、「物流会社様との協議」を行い、参加する双方の各担当者との調整を行い、具体的に進めていけると良いでしょう。

コミュニケーション効果の最大化のための各種ツールの整備

前述で、物流会社様とのコミュニケーションの目的は、複数あると認識されたかと思います。上記の参考でも3つとなっています。3つの打合せが、それぞれの目的を達成する為に、有効的に、効率的に進めていけるように、「各種ツール」の整備と運用が必須となります。

既に他の記事をご覧いただいている方は、お気づきかと思いますが、3つのツールが推奨です。

*各種情報共有
 スプレッドシート
通常業務:販売予測数・出荷作業予測・入荷予定・プロモスケジュール等々
改善業務/開発業務:趣旨や目的、計画概要プラン等々
*物流改善タスク
 進捗管理表
通常業務:事前準備タスク中心。
改善業務/開発業務:大タスクと詳細タスク等々
*議事録打合せ開催後に作成。事前にアジェンダ共有。事後まとめ共有。簡易版。

上記は、あくまでも参考となります。打合せ単位で、準備するツールと運用方法を検討していきましょう。

「コミュニケーションの2つの壁」とは? 乗り越える方法とは?

物販企業様と物流会社様の2社が、双方の異なる利害関係の中、打合せを重ねていくと、必ず大きな壁にぶち当たります。大きな壁は、2パターンあります。

一つ目のパターンは、物販企業様側(依頼主)の要望の難易度が高く、また熱量が高いため、一方的に物販企業様側(依頼主)に主導権があり、結果としてタスク実行が計画通り進まず物販企業様側(依頼主)に大きなストレスがかかる。

二つ目のパターンは、物販企業様側(依頼主)が具体的な情報(定量)、具体的な物流課題、具体的な物流サービス開発要望などの要件定義が出来ず、また物販企業様側(依頼主)の解決策も定まらず、結果としてタスク実行が計画通り進まず物販企業様側(依頼主)と物流会社の双方に大きなストレスがかかる。

物販企業(依頼主)物流会社現象
パターン①
要望過多/実行実力不足
要望・依頼の量と質は適正
要件定義は明確
解決策の量と質が低い
人材リソース欠乏
タスク実行が少ない
物販企業
ストレス多
パターン②
要望過小/立案経験不足
要望・依頼の量と質が低い
要件定義が不明確
結果として
解決策の量と質が低い
タスク実行が少ない
物販企業
物流会社
双方ストレス多
コミュニケーションの非活性化の壁の一例

この二つの壁は、長い年月の中で、必ず発生していまう事象です。双方のパワーバランスや置かれている経済環境や人材リソース環境の変化によって、数ヶ月単位で状況は可変します。

このコミュニケーションの壁への対策は、双方にとって、非常に重要です。
何故なら、物流委託先の変更の理由の多くが、コミュニケーション不足による信頼関係の欠落であるからです。言い換えると、物販企業様側(依頼主)が物流会社への不信感を募らせて、蓄積して、ある水準を超えてしまったという事です。この事象は双方にとって、とても不幸な結果となります。

ここで、大事な事は対策方法は、二つ

一つ目は、必ず発生するこのコミュニケーションの壁を、事前に察知できるようにすることです。
二つ目は、双方のリーダーが状況理解を深めて、双方の問題点を指摘できる関係を平常時に確立することです。「 ”双方のリーダー・責任者” の定期的なコミュニケーション」となります。

物販企業様にとって “委託済物流の最大メリット” を生かす方法とは?

最後に、物販企業様にとって、非常に重要、かつ非常に有効的なコミュニケーション方法を解説します。この方法については、ビジネスにおける最低限の紳士協定や、ビジネス倫理を十分理解した上での活用することが重要となります。

物流を委託しているということは、物販企業様にとって、どんなビジネス関係の状態でしょうか?
重要なポイントは、物販企業様は「依頼主であること」「期限がある契約であること」の二つです。

この重要な交渉ポイント2点を良く理解して、委託先である物流会社との関係を、より厳格にシビアに進めていくことをお勧めします。基本的には、契約期間を物流会社様に意識させるように行動・交渉することが必要です。

しかしながら、もちろん物流会社様との関係強化も重要ですので、物販企業様のリーダー・責任者のみが、この対応を行うことをお勧めします。

内容対象具体的な時期
契約期間を意識させて行動する物流業務改善要望契約期間中の随時
物流サービス開発要望契約期間満了前を最終締切に
物流コスト削減交渉契約期間満了後から好条件で再契約
(を実現するには4か月前から)

この対応策については、物流会社様側の事情や都合によっても、良い交渉になる場合とならない場合があります。また物流会社様側にとっては、良くあるパターンの一つであり、対応策も十分準備しています。酸いも甘いも多くの経験値があると予測できます。

一方で、物販企業様にとっても、大きなチャンスの機会であり、何より新しい関係を、双方の相互理解を深めて、物流会社様と再構築することも可能です。先ほどのコミュニケーションの壁の対策の一つでもあります。しかしながら、百戦錬磨の物流会社様を相手に、心配される物流会社様も多いかと思います。また相談したい方も多いかと思います。そんな時は、是非、LogiGaden(ロジガーデン)物流コンサルティングサービスにお問合せください。真摯にサポートさせていただきますので、よろしくお願いします。


委託済物流を生かす物流会社とのコミュニケーション方法 まとめ

ここまで「委託済物流の最大メリットを生かす物流会社とのコミュニケーション方法」について、説明させていただきましたが、ご興味をいただけましたでしょうか?もっと詳しく知りたい方、さらに具体的な方法を知りたい方はいらっしゃいますでしょうか?
LogiGaden(ロジガーデン)では、物流改善の具体的な施策について、もっと深堀りして発信してきたいと計画しております。各種準備が整い次第、随時ブログにて発信させていただきます。

私達、LogiGaden(ロジガーデン)では、
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