作業費の見積り、もっとお得にできる筈です。でも、どうやって?
効果的なコスト削減の方法を知りたくないですか?
作業内容の詳細化・明確化から始まる「作業費の見積りを安くするために重要なこと」を一緒に学びませんか?物流を外部に委託することは、大きなメリットもあります。物流会社様に、物流現場を視察してもらうことも重要です。重要はことを7つ解説していますので、是非ご参考ください。
物流のコスト削減は、専門家の助けを借りて、最適な方法を探求することで実現できます。プロに相談して、あなたのビジネスをさらに発展させましょう。
はじめに
物流委託(物流アウトソーシング)を検討されている企業様、委託先を変更したいと計画している企業様にとって、作業費の見積りを安く抑えることはとても重要なことかと思います。
自社で物流を運営している場合は、多くの物流人材を必要とします。今現在物流業界全体での人材不足の問題は深刻化しています。今後もさらに悪化していくでしょう。労働力不足と倉庫内作業コスト削減の両立は、まさしく物流のプロの知見が必要となります。
まず、物流委託(物流アウトソーシング)を行った際には、物流現場オペレーション業務を、委託先の物流会社が行いますので、物流人材不足の不安からは解消されるでしょう。
また昨今ECでの販売が増え、B2CだけでなくB2Bもその影響が大きく、販売予測が立てづらく、繁忙閑散への対応の難易度が上がっています。この点においても、物流委託(物流アウトソーシング)を行った際には、複数のクライアント様の物流を委託している物流会社では、トータルでの人材リソースの調整が日々可能であるため、比較的に繫忙閑散の大きな波にも対応できる可能性が高いです。
さらに、機械化・システム化・ロボット化による倉庫内オペレーションの省人化についても、物流のプロである物流会社の取組みは進んでおります。
このような、倉庫内作業領域での現在の課題や未来の不安に対しても、物流委託(物流アウトソーシング)には大きなメリットがあります。
一方で、物流会社側も、倉庫内作業人件費(その他経費)に対して、利益分を上乗せして見積りを提案しますので、コスト(見積り単価)には、注意が必要となります。
本記事では、物流委託(物流アウトソーシング)する際に、いかに「配送費の見積り」を安くするための方法と交渉術を解説させていただきます。
倉庫内作業の種別について
まずは、倉庫内作業について、簡単に説明させていただきます。
倉庫内作業の種別として、大きく4つ「入荷作業」「出荷作業」「伝票発行作業」「流通加工作業」があります。
「入荷作業」
入荷作業は、物流倉庫に商品が到着した際に行われる作業です。これには、商品の特定、外損検品、数量確認、バーコードの出力&登録、棚入れなどが含まれます。この作業を通じて、正確な数量の商品がダメージなく受け取られ、倉庫管理システム(WMS)に適切に登録されます。
「出荷作業」
出荷作業は、顧客への商品の送付に関連する一連の作業です。エンドユーザー様からの注文に応じて、商品をピッキング、検品、梱包し、宅配会社へ引き渡します。この作業は、正確かつ迅速に行われることが求められます。
「伝票発行作業」
伝票発行作業は、出荷する商品に添付する伝票を作成する作業です。エンドユーザー様の注文情報、商品の詳細、配送先の情報を基に、各種伝票を発行します。この伝票は大きく3種類あり、ピッキングリスト、送り状、納品書です。データは別途宅配会社へ送信します。自動梱包機の場合は、送り状は事前に出力せず、自動梱包プロセス時に機械で自動で発行し、荷物へ添付します。
「流通加工作業」
流通加工作業は、クライアント様(物販企業)の指示に応じて商品を加工する作業です。主に、入荷時に行う作業と出荷時に行う作業に分かれます。例えば、商品にシールを貼ったり、特定のパッケージに入れたり、組み立てたりします。これにより、商品はエンドユーザー様の要求に合わせてカスタマイズされる等で付加価値を高めたり、誤認識を防いだりします。
上記のような作業項目はありますが、そもそもクライアント様(物販企業)様のビジネスモデルやビジネスルールにより、作業内容の詳細は様々です。
作業費の見積りを安くするために 重要なこと
重要なこと①「作業内容の詳細化・明確化」
前述しましたが、作業費の見積りを安くするために重要なことの一つ目は、
「作業内容の詳細化・明確化」となります。
ポイントの一つ目:「言語の統一、単語の統一化」
ポイントの一つ目は、
クライアント様(物販企業)と委託検討先の「言語の統一、単語の統一化」となります。
お互いが今まで使用してきた単語は、それぞれの意味や範囲が異なる場合があります。
代表的な単語(「入荷作業」「ピッキング作業」「検品作業」「出荷作業」「伝票発行作業」「流通加工作業」)から、詳細な単語までが対象となります。
ポイントの二つ目:「クライアント様(物販企業)主導」
ポイントの二つ目は
「作業内容の詳細化・明確化は、クライアント様(物販企業)主導」で行った方が、最終的には良い効果があります。それは、抜け漏れが防げることであり、物流委託後に今までやってきた作業が抜け落ちて、致命的な物流サービスや物流品質の低下となる場合があるからです。
ポイントの三つ目:「最終的な資料化は、委託検討先の物流会社様が作成」
ポイントの三つ目は
作業内容の詳細化・明確化の「最終的な資料化は、委託検討先の物流会社様が作成」し、提出させることです。これにより、委託先の物流会社様の認識度・理解度が図れます。
重要なこと②「作業内容を物流現場で確認」
物流委託する際に、委託先の物流会社様に「作業内容を物流現場で確認する」ことは非常に重要です。
まず、実際の作業現場を確認することで、委託検討先の物流会社が契約内容に従い、適切なサービスを提供くれるかの確率をあげることができます。また、作業の効率性、安全性、品質を実地で確認することで、将来的なトラブルや不具合を未然に防ぐことが可能です。
さらに、物流現場の実態を把握してもらうことで、運営の改善点や、新たな効率化の取り組みについてのアイデアを得ることもできます。
上記は、物流のプロである物流会社が、現在の倉庫内業務とは違う独自の業務フローを構築することで、どこまで作業コストを削減できるのか?を検討する重要な情報となります。
結果として、交渉する上でのポイントとなります。
具体的には、委託検討先の物流会社に対して、「作業コスト削減のために、どんな業務フローの改善を行ってくれますか?それはどの程度の改善成果が見込まれますか?」という質問をすることが出来るようになります。
重要なこと③「作業単価のシュミレーション・予測」
物流委託する際の作業内容の詳細リストを作成し、それを元に作業単価のシミュレーション・予測を行ってから交渉することは、コスト削減の交渉する面で非常に重要です。
シミュレーション・予測を行った上で交渉に入ることで、事前に作成したシミュレーション・予測のデータを基に、物流業者に対して具体的な要望を伝えることができます。これにより、効率的なコスト交渉が可能となり、最終的には企業の利益につながります。
また、作業単価のシミュレーション・予測を行うことで、将来的な業務量の増加や、予期せぬ状況が発生した際のコストを事前に試算することができ、リスクヘッジにもつながります。
物流コストは企業の利益に大きな影響を与えるため、物流委託する際には、作業内容の詳細リストを元に作業単価のシミュレーション・予測を行い、それを基に交渉することが、コスト管理、リスクヘッジ、そして企業の利益向上にとって非常に重要な要素となります。
重要なこと④「現在の総作業コストと見積り総作業コストとの対比」
委託検討先の物流会社との作業費の見積り単価交渉となった時に、重要なことは、「現状の総作業コストとの対比」となります。
これは、今現在が自社で物流を運用している場合も、既に物流を委託しており委託先を変更する場合も同様です。
そして、各詳細の単価が気になるところですが、一番大事な点は、「総コスト」という事です。
シュミレーションを重ねて、「総コスト」が現在よりもどの程度削減されるのか?の全体感を十分理解しながら、交渉を進めていくことが重要です。
さらに、総コストを見ながら、各詳細の作業単価をどの程度まで削減できれば、全体の総コストを削減目標まで持っていけるのか?を試算しましょう。
重要なこと⑤「総コスト削減目標と各作業詳細単価の交渉について」
前述しましたが、ここからが交渉の始まりとなります。
ちなみに、⑤⑥⑦の順番は交渉されている状況によって、最適な順番を選んでくれると良いかと思います。
ここでは、総コスト削減目標を、交渉先の物流会社へ伝える事が重要です。
物流会社にとっても、どこまで見積り単価を削減することで、クライアント様(物販企業)が満足してくれるのか?を知らない中で、交渉を受けるのは不安でしかありません。また、まずは総コスト削減目標を伝える事により、物流会社の削減の決断を促す効果があります。
さらに、次の交渉では、総コスト削減目標を元に、各作業詳細単価の希望単価を具体的に提示することも、効果的です。ですが、順番としては、下記となります。
・①コスト削減目標を伝え、物流会社の見積り提案を聞く
・②各作業詳細単価の希望単価を具体的に提示し、物流会社の見積り提案を聞く
ここでの注意点は、物流会社様を信頼して、期待して、物流会社様からの見積り提案を聞く姿勢です。信頼関係を構築しながらの交渉を心がけてください。
重要なこと⑥物流会社の業務フロー改善策を引き出しての交渉について
前述しましたが、ここからが交渉の中盤となります。
ちなみに⑤⑥⑦の順番は交渉されている状況によって、最適な順番を選んでくれると良いかと思います。
物流会社様の業務フロー改善策を引き出しての、作業費の見積もりを安くしてもらう交渉術です。
この方法は、双方にとって、一番有意義な方法です。物流会社にとって、現在の業務フローを改善しないで、見積り単価だけを削減することは、とても難しいことです。
物流会社にとって、具体的な改善策に確証があり、業務フロー改善ではなく、機械化・システム化・ロボット化による省人化や、その他の総合的な施策を行い、自信をもって効率化を進めることができれば、安い見積り単価の提示を行う事は必然となります。
ちなみに、物流会社の社内では、上記による改善効果を試算した上での見積り単価の計算・試算が、複数回行われることになります。その為にも、事前の①②のプロセスは、必ず実行しておくことが必要です。
前述しましたが、委託検討先の物流会社に対して、「作業コスト削減のために、どんな業務フローの改善を行ってくれますか?それはどの程度の改善成果が見込まれますか?」という質問をして、交渉を深めていきましょう。
ここでの注意点は、物流会社様を、物流のプロとして、丁寧に扱うことです。ここでも、信頼関係を構築しながらの交渉を心がけてください。
重要なこと⑦「複数の委託検討先の物流会社との戦略的交渉について」
前述しましたが、ここからが交渉の終盤となります。
ちなみに⑤⑥⑦の順番は交渉されている状況によって、最適な順番を選んでくれると良いかと思います。
複数の委託検討先の物流会社と戦略的交渉を行い、作業の見積もりを安くしてもらう交渉術です。
物流会社にとって、1つの案件を獲得できるか?否か?は、とても重要です。
物流委託(物流アウトソーシング)は、最低でも1年、長い場合は8年~10年以上のお付き合いになることもあります。また、ここまでの提案プロセスを順調に、信頼関係を構築しながら進めていけている場合には、物流会社側としても是非この案件を取って、改善活動を進めて、クライアント様(物販企業)からの期待を超える、信頼を勝ち取りたいと思っています。
まず大前提として、ここまでレベルの委託検討先の物流会社を、最低3社以上作ることがとても重要です。
そして、最後の決勝戦を、この3社で戦ってもらうことが、目標を勝ち取るための交渉する上での条件となります。最後になりますが、この3社での決勝戦を行うまでのプロセスを、戦略的にマネジメントすることとなります。
その為には、候補先のスタートは6~8社程度が理想的です。また、各候補先とのプロジェクトを同時期に進めていくことが重要であり、とても複雑かつ体力の必要な業務となります。
さて、ここで物流委託(物流アウトソーシング)ならではのポイントがあります。
それは、「全体スケジュールの遵守の重要性」です。6~8社へのオリエン、プレゼンを行うことですら、大変な作業量ですが、最初に全体スケジュールを各社へ伝えて、そのスケジュールを遵守できない物流会社様へは、真摯にお断りすることです。
実際に、交渉のプロセスを進めていく時、決定して契約していく時、物流委託を始める時、どの点においても、スケジュール管理が最も重要なタスクとなります。
ここでの注意点も、物流会社様を、将来のパートナーとしてお付き合いしてください。信頼関係を構築しながらの交渉を心がけてください。
作業費の見積りを安くする以上に大切なこと
コストだけでなくサービスも比較
コストだけでなく、サービスの質も比較することが重要です。入出荷リードタイム、システム連携、コミュニケーション、返品・交換の取扱いなど、コストに見合ったサービスが提供されているかを確認しましょう。
信頼性の確認
物流会社の信頼性も確認しておきましょう。
まずは、窓口業務を担っている「物流会社の営業マン」の言動と提案を良く確認しましょう。
次に「定量データ」です。出荷作業遅延・入荷作業遅延の実績、誤出荷率、荷物の紛失・破損の実績など、過去の実績をもとに信頼性を判断することができます。最後に、倉庫見学を行い、「現場社員や現場作業スタッフの働く様子」を確認することも重要です。
契約内容の確認
最終的な契約内容を確認する際は、契約書の内容を詳細に確認しましょう。契約期間や契約解除事項、損害賠償事項はもちろん、配送の遅延や荷物の紛失・破損が発生した際の対応、キャンセル・返品の取扱い、支払い条件など、トラブルが発生した際の取り決めをしっかり確認しておきましょう。
「作業費の見積り」を安くする方法 まとめ
物流の世界は、驚くほどの可能性に満ちています。
作業費の適正な見積りは、その一歩として、作業の詳細をしっかりと把握し、専門家の素晴らしい知見を存分に活用することで、驚きの効果を実感できます。そして、コストの見直しも大切ですが、それ以上に大切なのは、信じられるサービスの質と信頼性。物流会社との信頼関係を深めることで、明るく安定した未来が広がります。
この記事を読んで、物流の最適化のための新しいアイディアやインスピレーションを得られたら、幸いです。最後に、ビジネスの成功は小さな一歩から。物流のプロに相談することで、新しい扉が開かれるかもしれません。前向きに、そして賢く取り組みましょう。
私達、LogiGaden(ロジガーデン)では、
物流ノウハウや情報を発信する「物流ブログ」と、
良心価格で長く続けられる「物流コンサルティングサービス」を提供しています。
二つの取組みで、物流に携わる皆様のご支援ができるように努めてまいります!ので、
何卒ご愛顧のほど、よろしくお願いします。