はじめに

この記事では、別の記事で解説した「物流改善ロジックツリー」を、自社独自のオリジナルで構築していく重要性と、その構築方法について、解説させていただきます。

もし、まだ「物流改善ロジックツリー」をご存じない方は、また興味を持っていただいた方は、先にこちらをご覧ください。下記記事を読んで後に、本記事を読んでいただくと、より理解が深まると思います。

「自社オリジナルの物流改善ロジックツリー」の重要性

他の記事にて、物流ロジックツリーについて解説させていただきましたが、物流改善ロジックツリーには、大きく7つのカテゴリーがあります。

■現場オペレーション改善関連
■物流コスト改善関連
■人材育成・確保関連
■物流DX関連
■物流組織運営関連
■物流サービスの差別化/戦略化
■未来課題にむけての対応

こちらは、過去の物流経験と実績をもとに、LogiGaden(ロジガーデン)独自にフレームワーク化したものですが、このフレームワーク化を進めていくプロセスは、多くの物販会社様と3PL物流会社様にとって汎用性(=共通性)が高く物流改善ロジックを選別した経緯があります。

その為、多くの物販会社様と3PL会社様にとって、使いやすい、参考にしやすい、導入しやすいフレームワークとなっている一方で、全てを網羅しているものではありません。
全てを網羅すると、煩雑になり、分かりづらいものとなっていまうデメリットもあり、簡潔性によるメリットを選択した次第です。

ここまで、LogiGaden(ロジガーデン)が推奨する「物流改善ロジックツリー」の作成プロセスを説明させていただきました。ここまで読んでいただいた皆様の多くは、お気づきになったかと思いますが、

LogiGaden(ロジガーデン)としては、汎用性の高い一般的な「物流改善ロジックツリー」を使用して、オリジナルの物流改善ロジックを追加していく事をおすすめさせていただきます。
その重要性は3つあります。

「オリジナル物流改善ロジックツリー」重要性①
 企業毎にビジネスモデルに適応させる

他の記事でもお伝えし、何度も繰り返しとなりますが、販売と物流は連動しています。連動させる必要があります。そして物販企業様、3PL物流会社様のビジネスモデルは、1社1社違う固有のものです。

汎用性の高い「一般的な物流改善ロジックツリー」だけでは、長期の物流改善を進めていくと、どこかで破綻していくこととなります。まったく関係のない物流改善ロジックを採用してしまう危険性もあります。

一番お勧めのやり方は、「一般的な物流改善ロジックツリー」を活用しながら、毎年の改善活動実績と評価を検証して、毎年すこしづつ「オリジナルの物流改善ロジックツリー」に修正していくことです。

「オリジナル物流改善ロジックツリー」重要性②
 余計なロジックを除きシンプルにする

物流改善ロジックツリーは、どんな物流課題に、どんな有効的な物流改善策(プラン)があるのかを可視化したアイデア集でもあります。その為、アイデアが生まれないとき、物流経験が浅い方にとって重宝するものであります。一方で、他の記事でも重要性を解説していますが、多くのアイデアから優先順位の高いアイデア(アクションプラン)選択することも、とても重要となります。

逆に言うと、そもそも自社のビジネス上、関係のない・余計な物流改善ロジックについては、間違った選択をしてしまうリスクもあります。

「オリジナル物流改善ロジックツリー」を構築していく上で、余計なロジックをそぎ落としていく、シンプルにしていくことをお勧めします。

物流改善策(プラン)の優先順位を決めることに興味がある方は下記をご覧ください。
・物流「時間管理マトリックス」と「物流改善重要度フレームワーク(5種)」の活用方法→

「オリジナル物流改善ロジックツリー」重要性③
 独自の物流戦略思考を引き継ぐ

「オリジナルの物流改善ロジックツリー」を構築していく、最も重要なことは、本来とても引き継ぐ事がむずかしい物流戦略思考物流改善策の選択判断思考を、蓄積して資料化して、引き継げることです。

資料化して引き継げるという事は、とても大きな意味があります。それはまさしく「会社独自のナレッジの資産化」が出来るという事です。

他の記事でも述べていますが、物流戦略思考の醸成はとても難しくものです。その理由の一つが、一人の人が多くの物流ケーススタディを体験して、そこから知識と経験を体系化して学んでいくことは非常に時間がかかるという事です。さらに体験を通してという点は避けて通れません。

上記の点において、「オリジナル物流改善ロジックツリー」を構築していく上で、戦略的思考を引き継いでいくという意義を十分理解して行っていくことを、強くお勧めします。

「自社オリジナルの物流改善ロジックツリー」の構築方法

自社オリジナルのの物流改善ロジックツリーの構築方法は、とてもシンプルですが、難しい一面もあります。少し前述しましたが、下記の3つが重要です。

構築方法① 実践した物流改善プランの効果検証を必ず行う

この点については、皆さん納得していただけることかと思います。多くの物流改善プランは実行することが目的となっており、実行後に効果検証するケースはとても少ないかと思います。また自社オリジナルの物流改善ロジックツリーを構築する上では、単に成果が出たから追加するという事ではなくどんな物流問題・課題を解決するときに活用できるのか?を改めて、あらゆる角度から熟慮する必要があります。

この点でのおすすめは、成果が出なかった物流改善プランについても、検証を深めることです。物流改善プラン自体は良かったが、人的、予算的、タイミング的、実行期間などの問題や相性で、成果が出なかっただけという事もあります。

なぜ成果が出なかったことに注目するか?ということですが、成果が出なかった物流改善プランも多くのメンバーが真剣に考え、選択し、時間と工数をかけて実践した価値ある行動です。それは資産の賜物です。また成果が出なかった物流改善プランは、集団心理や必要以上のバイアスが掛かってしまい、客観的な思考を妨げ、極端に悪いプランだったと印象づれられ、同様の物流改善プランを未来において選択することが出来なくなってしまうからです。物流に携わる多くの皆様が陥る”過去のジレンマ”となってしまいます。
その点に注意して、冷静かつ建設的な効果検証をすることをお勧めします。

構築方法② 定期的に「オリジナル物流ロジックツリー」への追加を検討

次もとても簡単であり重要度は理解できるが、少し難易度が高いこととなります。それは経験と知識にもとづいた判断力が問われるからです。先ほどは、大げさに「会社独自のナレッジの資産化」と言いましたが、実務レベルではもっと肩の力を抜いて、参考程度と考え、「オリジナルの物流改善ロジックツリー」の追加や修正を定期的に行う事をおすすめします。

特に、半年に一回以上は、現在利用している「オリジナルの物流改善ロジックツリー」の追加や修正を検討する打合せを行ってください。その打合せは、物流戦略人材だけで行うのではなく、物流現場責任者様や場合によっては現場社員も巻き込んで行ってください。
現場社員については、日々の物流現場オペレーション運営において、重要な、また変更する項目を中心に参加してもらうことをおすすめします。

さらに、半年に一回の場合は、自社物流を取り巻く変化だけでなく、販売部門や会社全体のビジネスモデルの変化を色濃く注視してください。物流部門以外が変化しているのに、物流部門の重要な物流戦略思考である「オリジナルのが物流改善ロジックツリー」が変化、追加、調整されていないのは問題です。

構築方法③ 客観的な知見「外部リソース:物流のプロ」の積極的な活用

構築方法の3つ目ですが、①②を社内の限られた物流人材で、資料化していくことはとても難しいことです。主に物流戦略人材が中心になって、この「オリジナルの物流改善ロジックツリー」の構築を進めていくことになるかと思いますが、他のメンバーのサポート無くしては構築することはできません。また構築後にこの「オリジナルの物流改善ロジックツリー」を周知、教育していくことも重要であり、その点についても多くの工数(時間)が割かれてしまいます。

ここでお勧めするのが、外部リソースの積極的な活用です。

客観性があり、多くの物流改善経験と知識がある外部リソース(物流コンサルティング人材)の活用により、社内の物流戦略人材は、最も重要であるこの「オリジナルの物流改善ロジックツリー」を使用しての「物流人材教育」を行う時間が取れます。そして「物流人材教育」も外部リソースのサポートを受けることもできるでしょう。

この部分において、最も適している外部リソース(物流コンサルティング人材)は、”コスト的にも長く続けてられる良心価格であり、親身なサポートができる伴走型の物流コンサルティング”を探すことが重要です。物流人材の育成にかかわる事は、クライアント様の事業理解を深め、とても粘り強く、真摯に物流人材をサポートする物流コンサルタントが不可欠です。外部リソースの選択については、十分な検討をおすすめします。

物流コンサルティングに興味がある方、相談されたい方はこちらをご覧ください。
・長く続けられる良心価格と実績の「次世代型物流コンサルティングサービス」とは?→


オリジナルの物流改善ロジックツリー」の構築 まとめ

ここまで、資産化する「自社オリジナルの物流改善ロジックツリー」の重要性と構築方法について、説明させていただきましたが、ご興味をいただけましたでしょうか?
もっと詳しく知りたい方、さらに具体的な方法を知りたい方はいらっしゃいますでしょうか?
LogiGaden(ロジガーデン)では、物流改善の具体的な施策について、もっと深堀りして発信してきたいと計画しております。各種準備が整い次第、随時ブログにて発信させていただきます。

私達、LogiGaden(ロジガーデン)では、
物流ノウハウや情報を発信する「物流ブログ」と、
良心価格で長く続けられる「物流コンサルティングサービス」を提供しています。
二つの取組みで、物流に携わる皆様のご支援ができるように努めてまいります!ので、
何卒ご愛顧のほど、よろしくお願いします。