物流を委託している物販企業様へ。
物流の最適化にどれだけ取り組んでいますか?
物流で競合に差をつけることに諦めていませんか?
当記事では、物流のプロが委託物流の最適化について徹底解説します。物流の最適化のカギと、競合を圧倒するための秘策を、この記事で一緒に学びましょう。真の意味でのパートナーシップを築き、競合に勝つための物流戦略を身につけましょう!
- はじめに
- 委託している物流を 成功させる為に 大事な “12” の考え方
- 【大事な考え方①:委託メリット】プロに委託してるからこそ「最良の物流サービス」を要望しよう!
- 【大事な考え方②:委託メリット】物流業務の特徴を知り、物流会社との関係を強化しよう!
- 【大事な考え方③:委託メリット】委託している物流会社へ「物流改善の目的と課題」を伝えよう!
- 【大事な考え方④:物流人材】物流戦略人材の育成をしていきましょう!
- 【大事な考え方⑤:社内合意】 社内の今後の”物流の方向性”を合意形成しましょう!
- 【大事な考え方⑥:現状把握】「委託済の物流コスト」の ”見える化と評価” をしよう!
- 【大事な考え方⑦:現状把握】「物流サービスレベル」の “見える化と評価” をしよう!
- 【大事な考え方⑧:改善】委託先を巻き込む 「物流改善サイクル」の技術 を身に着ける!
- 【大事な考え方⑨:改善】最適な物流改善策を選択する「時間管理マトリックス」を活用しよう!
- 【大事な考え方⑩:改善】独自の物流改善ロジックツリーを構築していきましょう!
- 【大事な考え方⑪:改善】改善サイクルの要「物流改善タスク進捗管理」を習得しよう!
- 【大事な考え方⑫】客観的物流視野を持とう!物流委託先の変更を検討しよう!
- 最後に
はじめに
この記事では、「物販企業様」が「委託済している物流」をより良くして「物流で競合に勝つための考え方と方法」ついて説明させていただきます。本記事は、特に ”物販企業様で物流を委託している”の際に、役立ちます。
「物販企業様:自社物流運営」の方
・物販企業が「自社で物流改善を成功させる」方法を徹底解説【自社物流改善】→
「3PL物流会社」の方
・3PL物流会社が「取り組むべき改善」方法を徹底解説→
大事な「委託済物流の改善を成功させる為の大事な考え方」を解説させていただきます。考え方毎の具体的な詳細の方法については、各自のリンク先をご覧ください。
委託している物流を 成功させる為に 大事な “12” の考え方
物流を委託している物販企業様が、さらに物流をより良くし、結果として「物流で競合に勝つ」ために、必要な ”大事な12の考え方” について、解説させていただきます。
さて、物流を委託されている物販企業様の中で、自ら物流戦略を深く理解して、委託先の物流会社と、真の意味でのパートナーシップの関係性を構築して、持続的物流改善に取組んでいる企業様は、どれ程いるのでしょうか?現実的には、とても少ないと認識しています。この状態は、物販企業様にとっても、物流業界にとっても、未来への発展性に乏しく、社会的に良くない状況であると認識しています。
問題は、委託を依頼している物販企業様にもあります。委託している物流会社にも大いに問題があります。問題は双方にあり、逆に言うと、まだまだこれから改善できる余地(可能性)は非常に高いと考えます。
まずは”委託を依頼している物販企業様”にとって、最も重要な物流改善の大事な考え方は、「物流をプロに委託しているからこそ、最良の物流の構築をあきらめない!」という事です。さらにシンプルに言いかえると、「物流会社に最良の物流サービスの構築を徹底的に要望しよう」ということです。
既に過去に多くの物流改善要望を物流会社へ伝え、なかなか具体的な提案、そして成果を得られなかった苦い経験をもつ物販企業様も多くいると思います。改めて、この記事をご覧いただき、「委託しているからこその物流改善」の方法を習得していただき、改めて活動していただけると幸いです。
【大事な考え方①:委託メリット】
プロに委託してるからこそ「最良の物流サービス」を要望しよう!
物流を「プロに委託しているからこそ、最良の物流の構築をあきらめない!」という事です。さらにシンプルに言いかえると、「物流会社に最良の物流サービスの構築を徹底的に要望しよう」ということです。
そもそも、物販企業様のほとんどが、以前は自社で物流を運用していたことがあります。各物販企業様は、それぞれの理由で物流を委託した経緯があります。それは数年前の事でしょうか?それとも十数年前の事でしょうか?委託した経緯を、改めて整理されることをお勧めします。そして委託した際の物流課題が現在解消されているのか?問題が解決されているのか?持続的な物流改善と物流サービスの開発が想像できるでしょうか?
一方で、物流を委託した後の数年、十数年の間の、委託先の物流会社との関係についても整理して思い出して下さい。もっとやれること、もっと要望した方がよかった点はなかったでしょうか?
改めて、考えてほしい点があります。
「現在の委託先の物流会社は最適なビジネスパートナーでしょうか?」
この記事でお伝えした事は、最適な物流会社を探して旅に出ようということではありません。それはあくまでも最終手段となります。今出来ることが沢山あります。
それは、「現在の委託先の物流会社と真剣に向き合い、真の意味でのビジネスパートナーとしての関係を再構築すること」です。再構築できれば、皆様の物流価値が一気に高まっていくでしょう。
その進め方、考え方、具体的な方法を②③で解説しますので、ご参考ください。
【大事な考え方②:委託メリット】
物流業務の特徴を知り、物流会社との関係を強化しよう!
一つ目は、委託先が行っている物流現場業務の特徴をよく知る事です。
物販企業様にとっては直接関係ないと思われる方も多いかもしれませんが、物流会社様(=委託先、仲間)のことを知ることは、大きなメリットがあります。
物流会社様は、物流業務改善を主業務として、物流センター改革・物流改革を行っています。物流改善やコスト削減に日々取り組んでいる中で、物流会社様の一番の悩みは、いつも、この1点です。
・なぜ?物流改善、コスト削減は進まないのか?
・なぜ物流改善のタスクが実行されないのか?
答えは、とてもシンプルです。答えは「物流改善が進まない理由が、そこにあるからです」
物流業務が持つ「物流改善が進まない理由」は、大きく4つあります。
「物流業務が、労働集約型業務であること」
「物流業務が、日々の業務遂行する事で精一杯であること」
「物流業務改善は、習慣を変える事であること」
「物流業務を行っている人材の多くが、現状容認バイアスが高いこと」
物販企業様においては、物流改善が進まない理由が物流という業務自身に存在しており、物流会社様はこの4つの特徴を受入れ、いかにスムーズに物流改善を進めていくのか?に日々精進していることを理解することが大事です。
さて、このような物流業務の特徴を知った上で、かつ物流改善が進みずらい理由を知った上で、物販企業様はどのように行動をすべきなのでしょうか?また、物流会社様とどう付き合っていくのが良いのでしょうか?
物販企業様の身に着けるべきスキルとは?
物販企業の物流戦略人材、物流責任者様が、身に着けるべきスキルは多くありますが、最も大事なスキルが、「物流戦略思考」と「物流課題解決プロジェクトマネジメント」の知識と経験となります。言い換えると物流会社と対等に、またはそれ以上の物流戦略思考を身に着けることにより、主導権をもちつつ物流会社様を指導していくことが可能となります。
物流会社様を巻き込んだ 物流改善コミュニケーションとは?
物販企業様が望む、最良の物流を構築するためには、委託先の物流会社様との信頼関係構築が必須となります。また物販企業様が主導して、持続的な物流改善を進めていく為には、2種類のコミュニケーション強化が重要となります。それは「日々の物流業務上のコミュニケーション力」と「戦略的物流改善・物流サービス開発のためのコミュニケーション力」です。特に後者については、多角的なコミュニケーションスキルが不可欠となります。
【大事な考え方③:委託メリット】
委託している物流会社へ「物流改善の目的と課題」を伝えよう!
物流を委託している企業様にとって、最も重要なことの一つが、「今現在の物流改善の目的と課題」を明確化し、「物流会社様へ伝える」ということです。
この行為が抜け落ちている企業様、もしくは資料化・可視化して伝えず、相手に伝わっているはずだと思い込んでいる企業様が、とても多いかと思われます。
委託している物販企業様と、委託を受託して物流運用して物流会社様の関係は、まさしくパートナーである必要があります(一般的には、よく夫婦関係に例えられます)。一方で重要なパートナーであること=情報共有が常に適量=信頼関係が構築されている訳ではありません。双方にその努力(具体的な方法と行動)がなされていなければ、壊れていく関係となります。
大事な考え方①と似ている点もありますが、関係強化するだけでなく、具体的な「今現在の物流改善の目的と課題」を明確化し、「物流会社様へ伝える」行動を実践していきましょう。
【大事な考え方④:物流人材】物流戦略人材の育成をしていきましょう!
ここからの④⑤は、物流人材育成や社内合意についての考え方となります。
この二つは、委託されている物販企業様だからこそ、非常に重要な考え方となります。
その理由は、実際の物流作業や物流運営は、委託先の物流会社様が行うということです。そして、物販企業様は委託先の物流会社様が、「エンドユーザー様満足度が高く、付加価値サービスも高く、競合他社と差別化がされ、それが最適な物流コストで提供される」ように、”目的の共有をしながら、具体的な要望を出して”、あるべき理想の物流サービスの構築を行っていくことです。シンプルにすると下記の表となります。
物販企業の役割(物流戦略機能) | 物流会社の役割(物流改善&運営機能) | |
通常業務 | 物流基本機能の運用・品質評価・改善依頼→ | ←物流現場オペレーション実行&運営 |
改善業務 | 物流サービス、コスト削減の要望・指示 → | ←物流改善、最適な物流コスト提供 |
開発業務 | 物流差別化戦略共有、具体的な要望・指示→ | ←物流サービス開発、物流付加価値創造 |
上記をご覧いただくと、物流を委託している場合においても、物流改善や物流サービス開発の成功確率は、物流戦略人材の育成と、物流知見の量と質と密接に関係しています。その為、社内物流戦略人材の育成は、不可欠であり、より良い物流サービスの構築の為に避けて通れないポイントです。
しかしながら、自社での物流運用の場合とは違って、育成する階層数が違います。(大きな違いは、自社での物流運用の場合は、物流センターを運用する人材が不可欠であることです。)物流を委託している場合は、物流会社様が物流センターを運用しているので、より物流戦略に特化した人材、そして物流課題解決プロジェクトマネジメントを行う人材が必要となります。
そのため、社内人材の育成は、2階層あり、「物流戦略人材」「物流責任者人材」となります。
物流戦略人材 | 物流責任者人材 | |
物流戦略立案と共有 | ◎ | △ |
物流戦術立案と共有、タスク化 | ◎ | 〇 |
物流課題解決プロジェクトマネジメント 物流サービス開発プロジェクトマネジメント | 〇 | ◎ |
また、社内の物流人材の育成と同様に、重要な事は、外部の物流リソースを活用する事です。特に物流コンサルティングサービスを活用することにより、重要な物流戦略的思考を取り入れていくことができます。
【大事な考え方⑤:社内合意】
社内の今後の”物流の方向性”を合意形成しましょう!
つぎに、委託している物販企業様で重要なことは、物流戦略の方向性を、定期に社内で合意形成しつづけることです。この「物流戦略の合意形成」は、委託先の物流会社様との関係強化にとっても、不可欠であります。
物流はコストセンターなのか?顧客満足向上センターなのか?
物販企業様が考える物流の役割は多様にありますが、物販企業様の社内の物流に関する考え方について、合意形成をとっていくのが最良の策かと思います。
何故なら、経営者にとって、物流は事業展開していく上での重要なインフラではあるが、一方でコスト・費用が発生するコストセンターでもあります。そして顧客満足を向上する重要なサービスでもあります。
しかしながら、重要な事は、経営層や幹部(代表、取締役、事業責任者等々)の皆様が、現時点で物流をどう捉えているのか?今後どうしてきたいのか?の方向性を話し合う事がとても重要です。
これは、極端に白黒つけるのではなく、どちらを重要視するのか?どれくらい重要視するのか?という程度で結構です。ですが、物販企業様の中で物流に携わる多くのメンバーにとって、経営層・幹部(=会社)の物流の方向性を確認しつづけることは重要な行為の一つとなります。またこの方向性は、時に変わるものと捉えていくのが最善でしょう。
また経営層・幹部だけでなく、事業推進側(営業、マーケティング、フルフィル業務)メンバーにもヒアリングし、共有することもとても有意義な事です。
【大事な考え方⑥:現状把握】
「委託済の物流コスト」の ”見える化と評価” をしよう!
ここまで、①②③にて物流委託だからこその物流委託のメリットを最大化する考え方を解説しました。
④⑤では、物流人材育成と物流戦略の合意形成の重要性を考え方を解説しました。
ここから、⑥⑦では、物流を委託している物販企業様にとっての生命線となる物流の現状把握についての考え方となります。現状把握を行うことで、問題・課題も浮き彫りになってきます。そして、委託先の物流会社様にとっても、ロジカルな、冷静な現状分析からの問題・課題の共有によって、今後の改善や開発をスムーズに進めていける資料となります。
ここでは、代表的な「物流コスト」と「物流サービスレベル」についての現状評価について解説します。
まずは、⑥にて「物流コスト」から解説しましょう。
物販企業様で、物流を委託している場合は、比較的容易に「物流コストの見える化」が可能です。しかしながら、いったん物流を委託して時間が経過した場合に、「物流コストの評価」ができていない、また運用できていない物販企業様が、とても多い状況です。
売上に応じて、本来可変する物流経費が最適な割合であるのか?
過去の時間軸(過去6カ月推移、1年推移などの移動平均)、ビジネスモデル上の繁閑での物流費用割合な
どの、クライアント様毎の評価軸の設定と運用が必須である。
物流サービスの向上や、現場オペレーション力向上などは、委託先の物流会社様との信頼関係構築とコミュニケーション強化を行いながら、両者でプロジェクト化しながら進めていくの最善の策です。
見える化の為のプロセスは下記になります。
①コストをカテゴリに分ける | 各種物流経費明細の一覧/コスト明細別目標値設定 ギャップ設定 |
②過去実績の推移を集計 | グラフ化。可視化。評価。 |
③物流コスト見える化の運用ルール |
・物販企業様の「委託済物流コスト見える化」&実例フォーマット&運用について→
また具体的な物流コスト削減のアクションプランを詳しく知りたい方はこちらをどうぞ
・物販企業様の「超実践的な物流コスト削減」厳選63施策!→
【大事な考え方⑦:現状把握】
「物流サービスレベル」の “見える化と評価” をしよう!
物販企業様にとって、物流はマーケティング活動のインフラでもあり、そして重要な顧客とのコミュニケ
ーション接点の一つです。
素晴らしい物流サービスの提供によって、エンドユーザー様や取引先様からの満足度・信頼度を高めることができます。逆に、物流サービスの劣化は、満足度・信頼度を大きく下げてしまう可能性が高いです。
物販企業様にとって、持続的成長を実現する為には、物流サービスレベルを高め、競合他社よりも優位ポジションを常にとって、物流で恒常的な競争優位を確保する事が必須となります。
その為に、まずは自社の物流サービスレベルの見える化と評価を行いましょう。
基礎物流サービスレベルの可視化&評価/競合比較 | 受注締切/休日設定 |
配送料価格/配送料無料価格 | |
モール物流レビュー評価 | |
繁忙閑散期の出荷リードタイム | |
繁忙閑散期の入荷業務リードタイム | |
基礎物流CRM(付加価値)の可視化&評価/競合比較 | 梱包資材デザイン/表 |
内容物デザイン/表記 | |
返品対応/表記 | |
受注・出荷情報の回数・タイミン | |
個別ニーズ: 業種別商品形態別の物流CRM(付加価値)の可視化&競合比較 | アパレル特化/化粧品特化 雑貨特化/食品特化/大型商材特化 |
個別ニーズ: ビジネスモデル別の物流CRM(付加価値)の可視化&競合比較 | EC受注発注+在庫保管型 |
EC最小在庫保管型 | |
EC+店舗(オムニチャネル)型 | |
EC+卸在庫共有型 | |
メーカーEC(D2C)型 | |
アマゾンFBAorZOZO特化型 (ECモール物流納品特化型) | |
個別ニーズ: 繁忙閑散ギャップ型の物流の可視化&評価&競合比較 | |
個別ニーズ: 急激成長に対応する物流の可視化&評価&競合比較 |
サービスレベルの可視化を定期的に行い、評価検証を重ね、物流改善アクションプランへ追加する必要が
あります。地道な作業となりますが、顧客満足度向上ならびに競合他社との差別化を実現する為には、必
要かつ重要なプロセスとなります。
●通常の物流作業によって、販売機会ロスが起きていないのか?を徹底検証
●在庫評価ができているか?売れ筋在庫、普通在庫、滞留在庫の区分けができているか?それぞれの販売手法は明確化してるのか?
●商材特性やユーザ特性を踏まえた物流構築:物流CRM(付加価値)の可視化&評価/競合比較
●物販ビジネスモデルを踏まえた物流構築:物流CRM(付加価値)の可視化&評価/競合比較
【大事な考え方⑧:改善】
委託先を巻き込む 「物流改善サイクル」の技術 を身に着ける!
ここまで、①②③にて物流委託だからこその物流委託のメリットを最大化する考え方を解説しました。
④⑤では、物流人材育成と物流戦略の合意形成の重要性を考え方を解説しました。
⑥⑦では、物流コストと物流サービスの現状把握についての考え方を解説しました。
さて、ここからは、持続的な「物流改善と物流サービス開発を進めていく手法やスキル」の説明となります。
特に委託先の物流会社様を巻き込んでの物流改善および物流サービス開発の進捗管理方法は、とても重要であり、多くの物販企業様が、物販会社様とのパートナーシップを構築できるずに、志半ばで続けられず、苦労している状況かと思います。
まずは、⑧にて全体概要である「物流改善サイクル」から解説します。
別の記事で「物流の見える化・数値化」の重要性と具体的な方法について話してきましたが、改めてその目的を再確認してみましょう。そもそも、何故?物流は見える化・数値化が必要なのでしょうか?
それは、物流をより良いとする為の指標として活用したいからです。
あくまでも「物流の見える化・数値化」は手段であり、目的は「持続的物流改善の実現」です。もちろん、持続的物流改善は、見える化・数値化だけで実現できません。見える化・数値化した上で、下記の「物流改善サイクル」を実践しつづける事が重要です。
プロセス | 活用ツールや方法 |
①過去推移数値と現在数値を集計する | |
②過去推移と現在とのギャップを集計し、分析する | |
③重要指標をKPIとして設定する | |
④KPIの目標を設定する | |
⑤現在と過去・目標とのギャップを集計し、分析する | |
⑥⑤の分析をもとに、問題・課題を抽出する | |
⑦問題・課題に対する解決策(アイデア)を考える | *「物流改善ロジックツリー」を活用 |
⑧解決策の優先順位を考え、アクションプランを決定する | *「物流改善の時間管理マトリックス」 *「物流改善重要度フレームワーク」 を活用 |
⑨アクションプラン別のタスクを明確化 | *「物流改善タスク進捗管理」を活用 |
⑩アクションプランを実行する | |
⑪KPIを集計して、評価検証する | |
目的は「持続的物流改善の実現」であると前述しましたが、より具体的に説明すると、「物流の見える化・数値化」を手段としておこない、上記の「物流改善サイクルを運用」していきましょうということです。運用していけるようになると、必ず成果が出てきます。
一方で、上記サイクルを運用していくことは、とても難しい事です。何より「粘り強く、成果が出るまでやり続ける」というチームのメンタリティが必須です。また、物流改善サイクルの継続率を高めるために、物流改善タスク進捗管理が必要です。
【大事な考え方⑨:改善】
最適な物流改善策を選択する「時間管理マトリックス」を活用しよう!
ここまで、大事な考え方を説明してきましたが、物流改善を進めていく上で、避けては通れないことがあります。それは、限りられた物流改善リソースに、どの物流改善アクションを実行させるのか?を決める事です。私が物流会社18年経営していく中で、肝に銘じていた言葉があります。
物流は労働集約型の業務であり、改善の道のりは険しく長い。
課題の選択と集中は最重要で、成果が出るまでやり続ける信念とチーム全員の理解が必須。
上記の考えは、具体的な改善アクションを行う上での考え方です。そして、具体的な改善アクションを選択する際に必要な手法が、「時間管理マトリックス」と「物流改善重要度フレームワーク」です。
【大事な考え方⑩:改善】
独自の物流改善ロジックツリーを構築していきましょう!
具体的な物流改善を進めていくと、多くの物流改善アクションプランのアイデアが出てきます。
①物流責任者からの庫内業務安定化の緊急的改善プラン |
②物流責任者からの物流サービス向上の重要改善プラン |
③物流責任者からの物流コスト削減プラン |
④物流戦略人材からの競合に勝つ為の改善プラン |
⑤物流戦略人材からの物流DXによる改善プラン |
⑥経営層・幹部からの未来の物流課題解決プラン 等々 |
一方で、前述しましたが、改善プランを複数同時に全て進めていくことはできません。重要性緊急性の時間管理マトリックスを活用して、優先順位を決めて、集中していく必要があります。
また、とても重要な事は、年数を重ねてくると、定例の物流スケジュールは、年間スケジュール化することができます。また、一度解決した問題・課題が再度上がってくることも多くあります。
そこで重要な事は、「独自の物流改善の為のロジックツリーを構築」する事です。このロジックツリーを構築することにより、過去の物流改善を体系化して、次世代に繋いでいけることができます。
物流の特徴であり、問題点は、年に一度しかない繁忙期や季節商材、イベントなどを体験するのは、年数が必要であり、しいては、物流人材の育成には時間がかかってしまう事です。その点においても、独自の物流改善ロジックツリーの構築と運用は非常に有意義なものとなるでしょう。
【大事な考え方⑪:改善】
改善サイクルの要「物流改善タスク進捗管理」を習得しよう!
ここまで読んでいたただいた方の多くは、既に物流改善アクションプランが思いついたり、一部を具体的に改善アクションを委託先の物流会社様とともに、実行し始めているかと思います。実行するまでに、多くのプロセス(現状を分析すること、問題・課題を抽出すること、改善アイデアを立案すること、優先順位をきめること、そして関係各位に共有すること、そして改善アクションを実行すること。)を経て、ここまで辿りついているかと思います。それはとても素晴らしいことです。
そして、ここからも大事なステージとなります。それは、「成果が出るまでやり続ける。持続的な物流改善活動をやり続ける。」為に必要なことです。
別の記事で詳しく解説していますが、ここで身に着けるべき「二つの技術」があります。
それは、「物流改善タスク進捗管理」と「やり続ける強い意志をチームで持ち続ける」技術です。前者の物流改善タスク管理の手法だけが技術だと思っている方が多いかもしれませんが、後者も技術となります。
特に、物流を委託している物販企業様にとって、物流改善プロジェクトを推進していくためには、委託している物流会社との連動や役割分担が必要となってきます。プロジェクトマネジメントする範囲が広いのが特徴となります。
まずは、「物流改善タスク進捗管理」を簡単に説明します。
①優先順位の高い物流改善アクションプランを一覧化する *推奨フォーマット |
②物流改善アクション毎に細かいアクションタスクを作成する *タスク単位を明確化 |
③アクションタスク毎に、役割(誰が)とスケジュール(何時迄に)を明確化する |
④進捗管理する単位(週、隔週、月)を決める |
⑤進捗管理するサブメンバーと打合せ単位を決める |
⑥進捗管理打合せの具体的な方法を決める(対面、WEB) |
⑦物流改善タスク進捗管理表をフォーマット化し、各自の進捗管理の役割とルールを共有する |
⑧アクションプランを実行して、進捗管理テスト期間の中で、各種調整や理解を深める |
⑨全体進捗管理をリーダーが集約して、定時に参加メンバーならびに会社へ報告する |
簡単に説明すると、上記のようなプロセスとなりますが、続けていくことは簡単ではありません。しかしながら、組織として物流改善を持続的に進めていく為には避けて通れない道となります。既に多くの企業様が進捗管理をしながら、むずかしい点に気づいているかと思われます。「物流改善に特化しての進捗管理手法」を身に着けながら、険しい道のりを粛々と進んでいってほしいと思います。次第に、考え方が変わり、行動が変わり、習慣化され、そして少しづつ成果がでてきます。ここで一息つかず、改善を進めていければその先には、あるべき物流の構築が近づいてくるかと思います。粘り強く、根気強く、頑張っていきましょう。
一方で、悩んでいる方、苦労している方は、是非一度、物流コンサルタントに相談してください。
多くの物流改善の経験と知識を持ち、独自のフォーマットと各種フレームワークを保有し、十数年取り組んできた「物流のプロ、物流コンサルタント」の協力も得ながら、成功確率・持続性の高い物流改善を進めていかれることをお勧めします。
【大事な考え方⑫】
客観的物流視野を持とう!物流委託先の変更を検討しよう!
最後の大事な考え方ですが、唐突ですが、
既に物流を委託している物販企業様でも、定期的に物流委託先の変更を検討することを推奨します。物流委託先の変更を検討することで、多くの手間がかかってしまいますが、非常に有意義なことでもあります。
誤解がないよう補足させていただきますが、ここで問題提起させていただくのは、物流委託先の変更を「検討しよう!」という事です。すぐに物流委託先を変更しようという事ではありません。
シンプルに言うと、検討するだけで得られる大きなメリットは、2点です。そのメリットとは、物流委託先の変更を検討するプロセスで、「多くの学び」と「多くのビジネス利害関係者との関係」が生まれてくるからです。
特に、物流委託先の変更を検討する際には、必ず現状の物流分析(コスト、品質、サービス、人材、競合比等々)が必要となります。そして現在の物流課題の抽出があり、物流委託会社様へのオリエン資料として、物流課題解決の要件定義を行うこととなります。そして、物流会社様から、ソリューション提案と見積もりが出てきます。
物流委託先の変更を検討するだけで、必ず変更するという事ではありません。そして上記のプロセスの中だけでも、冷静に自社物流を運営する上での大きなヒントや解決策を得ることが出来るでしょう。
現在も、そしてこれからもビジネス環境の変化が早く、激動のビジネス時代となるでしょう。どんな状況においても、たとえ大きな災害がきても、大きな経済ショックがきても、売上が激減しても存続できる物流モデルの選択肢を持っている事を、切に推奨させていただきます。
そして、物流委託先の変更を検討してみたいけど、最適なやり方も経験不足であり、時間や人的リソースも少ない企業様は、是非一度、プロの物流コンサルタントに相談してください。
・物流委託先の変更を検討する物販企業様へ→
最後に
物流委託している物販企業が「物流で競合に勝つ」ための考え方と方法を解説させていただきましたが、12点もあり、全てをこの記事内で網羅できませんでした。各12点毎に詳しい記事へのリンクを張っておきましので、是非そちらもご覧ください。
最後に振り返ると、①~⑫までを5つの構成に分けて、解説させていただきました。
①②③にて物流委託だからこその物流委託のメリットを最大化する考え方
④⑤では、物流人材育成と物流戦略の合意形成の重要性を考え方
⑥⑦では、物流コストと物流サービスの現状把握についての考え方
⑧⑨⑩⑪では、委託先の物流会社様を巻き込んだ物流改善の考え方
⑫では、物流委託先の変更についての考え方
ここまで、「物流委託している物販企業が、物流で競合に勝つための考え方と方法」について、説明させていただきましたが、ご興味をいただけましたでしょうか?
もっと詳しく知りたい方、さらに具体的な方法を知りたい方はいらっしゃいますでしょうか?
LogiGaden(ロジガーデン)では、物流改善の具体的な施策について、もっと深堀りして発信してきたいと計画しております。各種準備が整い次第、随時ブログにて発信させていただきます。
また、LogiGaden(ロジガーデン)コンサルティングサービスで、皆様をご支援させていただくこともできますので、是非ご興味がある方は、お問合せください。