梱包資材費が高騰していませんか?効果的な削減方法を探していますか?
物流アウトソーシングは、梱包資材費を大きく削減するチャンスです。しかし、その選択と交渉方法が鍵を握ります。この記事で、専門家の視点から最適なアプローチをお伝えします。物流のコストを最適化し、ビジネスの競争力を高めましょう。

はじめに

物流委託(物流アウトソーシング)を検討されている企業様、委託先を変更したいと計画している企業様にとって、梱包資材費の見積り安く抑えることはとても重要なことかと思います。

物流委託(物流アウトソーシング)を行った際には、ダンボールや緩衝材、伝票等に関連する梱包資材費を削減できます。

それは、自社で梱包資材費の見積りを取得するよりも、委託先の物流会社様の梱包資材費の見積りの方が、安い価格であることがほとんどです。それは、とてもシンプルな理由ですが、物流会社様の方が、より大量の資材を関連業者に依頼しているからです。

ですが、梱包資材費を単純に安くするだけが、正解ではないでしょう。

今回の記事のタイトルは、「梱包資材費の見積り」を安くする方法とさせていただきましたが、
それだけでは、物流のプロである皆さんにとっては、物足りないかと思いますので、
「最適な梱包資材の開発と、最適な梱包資材費の見積り」を獲得する方法と変更させてください。

また、梱包資材費の適正化は、ダンボールや緩衝材の種類数の削減によって、保管スペース増大と作業の複雑化による作業コスト改善に直結します。

それもまた、物流のプロである物流会社様の知見がより必要となります。梱包資材費のコストを削減するために、物流委託(物流アウトソーシング)することが、効果的です。

梱包資材の役割とは?

まずは、梱包資材の役割を、確認していきましょう。
大きく、3つあります。特に今回はエンドユーザー様へ荷物を直接届けるECをイメージしています。

①配送時の損傷を防ぐため :配送トラブル防止
②ブランドの認知や周知のため:ブランド認知度アップ
③お客様と配達ドライバーへ感謝を伝えるため:CRM向上

物流は、顧客と企業を繋ぐ大事なコミュニケーションの機会であると思います。
そして、大事な商品を顧客へ無事に届ける責務があります。

①が最重要であり、②③が物販企業・ECにとっての生命線でもあります。

<最適な梱包資材の開発について>

それでは、梱包資材費の見積りを安くする方法の前に、「最適な梱包資材の開発」について、解説させてください。さて、物流のプロは、梱包資材を変更する際に、どのようなことを考えているのでしょうか?

前述の、梱包資材の役割で共有した「ブランド認知度アップ」から解説していきましょう。

梱包資材(ダンボール)によるブランド認知力向上とは?

梱包資材、特にダンボール箱を活用してブランド認知力を向上させる施策は、顧客の印象を向上させ、商品のブランドを強化する重要な要素です。

以下は、ダンボール箱を活用してブランド認知力を高めるための具体的な施策の例となります。参考にしてください。

ブランドロゴとデザインの印刷ダンボール箱にブランドのロゴやデザインを印刷することで、商品が出荷時にブランドと関連付けられるようになります。魅力的でプロフェッショナルなデザインを使用しましょう。
カスタムサイズと形状ブランドの商品に合わせてカスタムサイズや形状のダンボール箱を使用することで、商品を適切に収め、ブランドイメージを高めることができます。下記に施策の例を紹介します
ブランドストーリーの共有ダンボール箱にブランドのストーリーやバリューを記載しましょう。顧客はブランドに対する理解を深めるためにこれらの情報を読むことがあります。
環境に配慮した素材サステナビリティが重要視される現代において、環境に配慮したダンボール箱を使用することで、ブランドの環境への取り組みを強調できます。
QRコードやウェブURL表示デザインダンボール箱にQRコードやウェブリンクを追加し、顧客が追加情報や特典にアクセスできるようにしましょう。
プロモーションや販売促進ダンボール箱にプロモーションコードやクーポンを追加し、リピート購入を促進しましょう。また、ダンボール箱を使ったコンテストやSNSキャンペーンを開催して、顧客の参加を奨励し、ブランドの話題を広めることもできます。
パーソナライズドメッセージ顧客の名前や注文履歴に基づいたパーソナライズドメッセージをダンボール箱に含め、顧客とのつながりを強化しましょう。

ダンボール箱は、商品を梱包するだけでなく、ブランドのアイデンティティを伝える重要な媒体です。ブランドの特徴や顧客への価値提供をダンボール箱に組み込むことで、ブランド認知力を向上させ、忠実な顧客を獲得し、競争力を高めることができます。

お客様と配達ドライバーへ感謝を伝えるには?:CRM向上

ブロンド認知力と共に、ダンボール箱で、お客様に対しての日ごろの感謝と、配達してくれるドライバーさんへの感謝を伝えることができます。

この手法は、共感型マーケティングの手法の一つであり、非常にポジティブな効果があります。

皆さんに質問があります。リアル店舗で、商品を購入した際に、店舗の販売スタッフさんから「ご購入ありがとうございます!」と言われたことはないでしょうか?実際、むしろ、ありがとうと言われないことの方が少ないかと思います。
端的ではありますが、特にECでのマーケティングでは、顧客との接点が少なく、共感させることが難しいと言われています。ECでは特に、商品をお届けした際、ダンボール箱を開けた時が、最大の接点であり機会であると言えます。下記はイメージとなります。

(例)注文した荷物が自宅に届き、ダンボール箱を開けて、初めて目にすることは、当然、、、、

「今回は、お買い上げいただき、誠にありがとうございました!
 何か不都合がありましたら、何なりとカスタマーセンターまでお問合せください。
 引き続き、「店舗orブランド名:〇〇〇〇〇」をご愛顧くださいませ。」

上記のようなメッセージであることが望ましいと言えます。

さらに、ダンボール箱の上部や側面には、配達ドライバー様への「励ましや感謝のメッセージ」を伝えることで、お客様や配達ドライバー様へ、印象的でかつ、良好な関係を築く機会となるでしょう。

「配達ドライバー様へ:お客様の大切な商品を預かる重要な仕事に、いつも感謝しています。
 大切なお客様への、大切なお荷物をよろしくお願いいたします。」

お客様や配達ドライバー様への「感謝のメッセージ」は、高いポジティブな効果をもたらす事が多いです。

<最適な梱包資材の開発によるコスト削減効果について>

さて、ここでは、最適な梱包資材の開発で、どのようなコスト削減効果があるのか?をまとめて解説させていただきます。委託先候補と交渉する上でのポイントにもなります。

「配送費」ダンボールの宅配サイズ適正化と配送料削減の関係とは?

ダンボール箱宅配サイズの適正化は、配送料削減と密接に関連しています。正確なダンボールサイズにより、配送料を削減することができます。以下は、この関係についての詳細です:

送料の最適化 各宅配サイズ(3辺合計60cm以内、80cm以内等)内での最適なサイズのダンボールを使用することで、適正サイズでの配送を行うことができ、結果として配送費を最小限に抑えることができます。過大または過小なダンボールは、物流プロセスに余分なコストを発生させます。
緩衝材の削減 適正サイズのダンボールを使用すると、商品がボックスに適合しやすくなり、空隙が最小限になります。その為、緩衝材の削減や作業コストの削減になります。

「資材費:ダンボール」
 ダンボールの宅配サイズ適正化と資材費削減の関係とは?

ダンボール箱宅配サイズの適正化は、資材費削減と密接に関連しています。正確なサイズのダンボール箱を使用することは、余分な材料の使用を減らし、ダンボール資材のコストを削減できます。

何度も繰り返しになりますが、ダンボールの宅配サイズの適正化は、配送料削減のみならず、効率的な物流による作業費削減環境への配慮にも貢献します。正確なサイズのダンボールを選択することは、企業にとって重要な経費削減の手段となります。

「資材費:緩衝材」
 ダンボールの宅配サイズへの適正化と緩衝材費削減の関係とは?

ダンボール箱宅配サイズの適正化は、緩衝材費削減と密接に関連しています。正確なサイズのダンボール箱を使用することは、余分な内部充填材を使用する必要が少なくなり、緩衝資材のコストを削減できます。

「作業費」ダンボールの適正な種類数と作業費削減の関係とは

ダンボール箱適正種類数は、作業費削減と密接に関連しています。最適数の中から、ダンボール箱を選択することで、選択する手間と選択ミスマッチによる再作業(特に間違った小さめのダンボールを選択すると作業はやり直しとなる)が少なくなり、梱包作業費のコストを削減できます。

<物流会社との梱包資材の共同開発と梱包資材費見積りの交渉方法とは>

物流のプロである物流会社との交渉は、戦略的に進めるとよいでしょう。特に梱包資材費については、既存のダンボール箱の単価を下げるだけでは、最大の効果を得ることはできません。

ここまで、本記事を読んでいただいた方の多くは、ご理解いただいているかと思います。
委託検討先の物流会社様のボリュームディスカウントの力を、最大化する為にも、プロセスの順番がとても大事となります。おすすめのプロセス順番は下記になります。

①現状のダンボール資材の情報集約ダンボール箱のサイズ別の使用量、各ダンボール単価、
配送サイズとダンボール箱のサイズ適合率、
作業場のダンボール箱選択ミス状況、緩衝材使用量等々
②現状のダンボール資材の検証と課題出しダンボール箱のサイズ変更
ダンボール箱の種類数の増減
緩衝材の形状の変更
梱包作業台環境の改善、梱包作業業務フローの改善
③現状の課題の共有、改善案の提案依頼委託検討先の物流会社様との課題共有
委託検討先の物流会社様への改善案の提案依頼
④委託検討先の物流会社様からの提案適正な新型ダンボールサイズ、ダンボール数の提案
⑤ダンボール箱でのブランド認知、
 CRM向上施策の提案依頼
ダンボール箱でのブランド認知策の提案依頼
ダンボール箱でのCRM向上施策の提案依頼
⑥委託検討先の物流会社様からの提案ダンボール箱でのブランド認知策の提案
ダンボール箱でのCRM向上施策の提案
⑦新型ダンボールの仕様検討&決定新型ダンボールのサイズ、種類数の検討&決定
各種形状や印刷内容、色、ギミックの検討&決定
⑧新型ダンボール全種の見積り新型ダンボール全種の使用量予測
新型ダンボール全種の見積依頼と見積提案
⑨新型使用時の緩衝材検討&見積り新型ダンボール使用時の緩衝材の検討&決定
新型ダンボール使用時の緩衝材の見積り
⑩新型全資材のコストシュミレーション新型ダンボール全種使用時のコスト試算表
新型緩衝材使用時のコスト試算表
⑪新型使用時の売上増加の試算新型全資材使用時の売上増加の試算表
(主に、リピート率の向上)
⑫売上増加と資材コストの総合試算新型全資材使用時の売上増加と資材コスト増減
の試算表を統合し、複数パターン作成
⑬委託検討先の物流会社様への交渉上記の総合試算表をもとに、ダンボール箱と緩衝材
の単価交渉を行う。具体的な希望単価を伝える。
⑭最終見積り提案と最終決定何度も見積り提案依頼を行い、各種調整を行い、
最終決定を行う。
(⑮梱包資材を専門業者に直発注検討)総合試算表の目標値が実現できない場合は、
状況に応じて、委託検討先の物流会社様からの提案
だけでなく、梱包資材専門業者を調査選定し、
直接見積り発注することを検討。実施。

上記のプロセスを粘り強く、目的意識をもって、進めていくことは、とても厳しいことになります。
しかしながら、この記事で伝えたいことは、物販企業(クライアント様)にとっての事業目的は、お客様やエンドユーザー様からの信頼・満足度向上であり、付加価値とコスト削減の両立を行う必要があるということです。


「梱包資材費の見積り」を安くする方法 まとめ

物流の世界は、常に進化しています。
梱包資材費の見積りの最適化は、その進化の一部と言えるでしょう。専門家の知見と経験を活かすことで、劇的な変化を体感することができます。コストの削減はもちろん、付加価値のたかい梱包資材の開発も忘れてはいけません。また物流パートナーとの強固な関係を築くことで、さらなる成果を得ることができます。新しい取り組みを始める勇気が、ビジネスの成功への扉を開きます。一緒に前向きに進み、物流の未来を築きましょう。

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