物流コストが高いと感じていませんか?効果的なコスト削減の方法を知りたくないですか?
配送種別の選択とその最適化は、コストを大きく削減するカギとなります。
専門家による配送チャネルの選択やマルチ化を検討することで、最適な配送方法を見つけることができます。また、物流を外部に委託することで、自社の車両の管理や維持の必要がなくなり、さらなるコスト削減が可能です。物流のコスト削減は、専門家の助けを借りて、最適な方法を探求することで実現できます。プロに相談して、あなたのビジネスをさらに発展させましょう。
はじめに
物流委託(物流アウトソーシング)を検討されている企業様、委託先を変更したいと計画している企業様にとって、配送費を安く抑えることはとても重要なことかと思います。
自社便を保有して自社独自の配送サービス網を構築されている企業、宅配サービスを利用している企業も同様です。
自社便での配送サービスの場合は、物流委託(物流アウトソーシング)を行った際には、自社で運送車両を維持、管理する必要がなくなります。自社で運送車両やドライバーさんを維持、管理することは、大きなコストがかかります。車両のメンテナンス、人件費、燃料コストなども大きなコストがかかります。自社便を保有することと、委託先の物流会社の配送網を利用することでどちらが最適なコストとなるのか?をシュミレーションする事をお勧めします。
また、宅配サービス利用の場合も、自社で配送料の見積りを取得するよりも、委託先の物流会社様の配送料の見積りの方が、安い価格であることがほとんどです。その理由は単純明快であり、物流会社様の方がより大量の荷物を宅配会社に依頼しるため、ボリュームディスカウントが出来るからです。
また、宅配サービスも1社ではなく、複数の宅配サービスを契約して、配送マルチ化運用しているため、物流会社から最適な配送コストを提案してもらう事も十分可能となります。
他にも、自社1社で物流を運用するよりも、物流委託した方が配送コストを削減できる理由はあります。
一方で、物流会社側も、宅配サービス会社からの単価に、利益分を上乗せして見積りを提案しますので、注意が必要となります。
本記事では、物流委託(物流アウトソーシング)する際に、いかに「配送費の見積り」を安くするための方法と交渉術を解説させていただきます。
配送の種別について
大きな分類では、陸運、海運、空運の3つがあります。
また陸運の物流の種別として、4つ「調達物流」「生産物流」「販売物流」「回収物流」があります。
調達物流:生産に必要な材料を仕入れる作業。
生産物流:工場内での製品作りの流れ。
販売物流:できた製品をお客さんに届ける作業。
回収物流:使い終わった製品や資材を回収する
本記事では、物販企業にとって配送コスト削減の為に、重要な「陸運」の「販売物流」を対象とします。
さて、「陸運」の「販売物流」の多くは、B2C、B2B用の荷物となります。
配送先は、エンドユーザー様(個人)、オフィスや店舗、物流センター(企業)となります。
陸運の「販売物流」について
さて、「陸運」の「販売物流」の多くは、B2C、B2B用の荷物となります。
配送先は、エンドユーザー様(個人)、オフィスや店舗、物流センター(企業)となります。
その中で、「荷物の大きさ」と、求められる「配送サービスレベル」に合わせて、下記のような代表的なサービスがあります。また独自の配送網を構築している企業様もいます。(※下記は代表例)
各社によって、サービスの内容は様々であり、料金体系も複雑です。
また配送ということで、「荷物を受け渡す場所から配送する場所の各条件」や「サイズ、重さ」によって、料金体系が複雑なため、まずはどの配送サービス(宅配サービス)を選択するのか?が重要となってきます。大きく二つに分けると、「宅配サービス」と「宅配サービス以外」となります。
下記にそれぞれの代表的なサービスを一覧化します。
宅配サービスについて
宅配サービス (メール便サイズ) | 宅配サービス (普通荷物) | 宅配サービス (大型荷物) | |
郵政 | ゆうパケット 定形外郵便 | ゆうパック | ー |
ヤマト運輸 | ネコポス | 宅急便 宅急便コンパクト | らくらく家財 宅急便 |
佐川急便 | ー | 飛脚宅配便 | 飛脚ラージサイズ 宅配便 |
宅配サービス以外について
大手路線便サービス | ・日本通運 ・西濃運輸 ・福山通運 ・名鉄運輸 等々 |
自社便(チャーター便) | ・自社完結型 :自社で車両・ドライバー所有。配送ルートに日々配送。 ・自社運送併用型:自社と運送会社で配送地域によってシェア。 ・運送会社完結型:運送会社と配送スキームを構築して、日々配送 |
納品先指定配送 | ・納品代行会社 配送先:百貨店や家電量販店チェーン、スーパー・GMS等々 ・ECプラットフォーマー向け共同配送: 配送先:アマゾンFBA、楽天スーパーロジ等々 |
ベストな宅配サービスとは?ベスト価格の宅配サービスとは?
前述に多様な宅配サービス、宅配サービス以外を一覧化しましたが、
物流委託(物流アウトソーシング)する際に、「配送費の見積り(配送コスト)」を安くするために、大事なことは一つです。
それは、初めに「自社の販売する商品・サービス」に、” 最適なサービスレベルと品質が担保される宅配サービスを選択 ”する事です。
その次に、「選択された複数の宅配サービスの見積り」を、” 物流会社へ依頼し、提案を受け、対比 ”する”事です。
宅配サービスを、コスト以外に比較する大きく4つの基本的なサービス要素があります。
「地域帯別のお届けリードタイム:〇日後着」
「実態のサービス品質:誤配達率」
「荷物渡しの締切時間」
「エンドユーザー様の信頼度」
まずは、宅配サービス会社別のサービス比較を行い、最後に配送費を追加して、最終決定するのが良いでしょう。
2023年現在の最適な配送サービスの選択とは?
「配送サービスの複数選択(マルチ化)のススメ」
まず、宅配サービスと宅配サービス以外を選択肢にいれ「配送サービス全般という範囲」で考えましょう。
結論から言うと、「複数の配送サービスを組み合わせる(マルチ化)」することです。
逆に言うと、配送サービスを1社に限定しないということです。たとえ委託する物流会社様からの提案が1社が著しく安い場合も、全てを1社にしないで、複数の配送サービスの選択肢を持つということです。
具体的には、どのように配送サービスの複数化(マルチ化)を行うのが理想なのでしょうか?
具体的な複数の配送サービスの併用方法について
お勧めするパターンは、2種類あります。前述で各配送会社・宅配会社様からの見積り(配送タリフ)は、商品のお届け先地域とサイズ毎に料金が設定されています。その点を上手く利用します。
・一つ目は、「お届け地域によって」配送サービス会社を併用する。
・二つ目は、「サイズによって」配送サービス会社を併用することです。
単純に同じ地域・同じサイズを二つ配送サービスで分けるということではなく、地域・サイズ別にコストメリットがある配送サービスを選択して、全エリア・全サイズの配送費を削減できるポートフォリオを作成するということになります。
委託検討する物流会社様への「最適な宅配サービスの複数提案」を依頼
物流のプロである物流会社に、見積もりだけでなく、「各配送サービスの対比の説明」を受けてください。
また、自社(クライアント様である物販企業)にとって、「どの宅配サービスが最適なのか?の提案」を受けてください。その上で、「複数の配送サービスからの見積りの提案」を受けてください。
そして、委託検討先の物流会社からの「総合的なプレゼン」を受けると良いでしょう。
事前に、「配送サービスの複数運用(マルチ化)の依頼」をすることが良いでしょう。
整理すると、下記を、「事前に依頼すること(=オリエンテーション資料)」が、その後のプロセスをスムーズに、また最適な提案を受けることができる秘訣となります。
・検討する配送サービス一覧表(各サービスのポイント)
・検討する配送サービスのメリット・デメリット
・選定した複数の配送サービスの見積り
・選定した複数の配送サービスのサービスと見積り単価の対比
・物流会社がお勧めする配送サービスの根拠・説明・プレゼン
・配送サービスマルチ運用時にコストシュミレーション(現在対比)
・配送サービスマルチ運用方法の説明
配送費の見積り(配送コスト)を安く交渉するための準備:オリエン資料
ここまで、具体的な配送費の見積り時のポイントを解説してきましたが、とても大事なことがあります。
既に前述した部分でもありますが、それは「オリエンテーション資料の準備」です。
もちろん、物流会社様が最適な配送サービスの提案をしてくれるためには、事前の情報が必要です。また安い配送費の見積りを出すためにも、事前の情報が必要です。
配送実績データ(数量)の集計
過去1年分の配送サービス別の月毎の数量実績データです。データを集計できないようであれば、NDAを契約した上で、物流会社様に素データを渡して集計してもらうのも良いでしょう。
配送地域帯別の実績データ(数量)の集計
過去1年分の配送サービス別かつ地域別の月毎の数量実績データです。データを集計できないようであれば、NDAを契約した上で、物流会社様に素データを渡して集計してもらうのも良いでしょう。
配送サイズ別の実績データ(数量)の集計
過去1年分の配送サービス別かつ配送サイズ別の月毎の数量実績データです。データを集計できないようであれば、NDAを契約した上で、物流会社様に素データを渡して集計してもらうのも良いでしょう。
未来予測の配送データ(数量)の集計
今後1年分の配送サービス別かつ地域別の月毎の数量予測データです。自社の事業計画などの、会社内で周知されている目標値となります。データを集計できないようであれば、NDAを契約した上で、物流会社様に素データを渡して集計してもらうのも良いでしょう。
求める配送サービスレベルの要件整理
現在の配送サービスレベルと、希望する配送サービスレベルを項目毎にデータ集計しましょう。
前述した4つの基本項目を参考に、自社でのこだわりの評価ポイントを整理して伝えましょう。
・「地域帯別のお届けリードタイム:〇日後着」 ・「実態のサービス品質:誤配達率」
・「荷物渡しの締切時間」 ・「エンドユーザー様の信頼度」
委託検討している物流会社様との交渉について
ステップは大きく3つありますが、どのプロセスも重要です。
事前準備を行わないと委託後にミスマッチが必ず起きてしまいますので、必ず①を飛ばさず進めて下さい。
事前準備 | ①-1、現在の物流課題を洗い出す。現在の物流コストを見える化・数値化する |
①-2、あるべき理想の物流運営・サービス・コストを見える化・数値化する | |
①-3、委託先候補の物流会社を選定する | |
委託先候補への オリエン&プレゼン | ②-1、オリエン資料の準備 |
②-2、オリエンテーションを行う | |
②-3、プレゼン&見積り提案を受ける | |
委託検討先の 評価・決定 | ③-1、倉庫見学を行う |
③-2、プレゼン&見積もりのフィードバックを行う。3社に絞る。 | |
③-3、最終選考の再プレゼン&見積り提案を受ける | |
③-4、最終候補のサービス対比・コスト対比を作成。現在との対比も。 | |
③-5、1社に決定 |
・絶対成功させる物流委託のプロセスとは?はじめての物流委託の場合→
・絶対成功させる物流委託のプロセスとは?物流委託先の変更の場合→
今回の記事は「配送費の見積りを安くする方法」という事ですので、その点での最重要ポイントは、
「②-1オリエン資料の準備時点での配送サービスへの要望出し」と「③-3での粘り強い交渉」となります。
最後にここまで読んでいただいた皆様に最後に一つ。
記事には記載できない(記載すると、クライアント様である物販企業様の不利益になるため)、最も重要かつ効果的な交渉方法があります。2023年~2030年までは必須の内容となります。ご興味がある方は、是非直接メールにてお問合せいただけると幸いです。お問合せいただいた皆様に、お教えします。
さらに「総配送費コスト削減」の重要なポイント4点を紹介! *見積り以外
配送費コスト削減には、他にも多くの効果的な施策がありますが、物流委託(物流アウトソーシング)する際に、最も効果的かつ、長く好影響がある施策を、4つ紹介します。
見積り以外① 最小サイズで梱包と実態計測について
見積りだけでは解決しない配送費のコスト削減の方法となります。
シンプルに説明すると「梱包時に最小サイズのダンボールの選択」を徹底することです。
この事は、とても重要であり、例え安い配送費の見積りでも、委託した物流会社の倉庫オペレーション力・統制力が低いことによって、割高になってしまう最悪のケースを防ぐこととなります。
詳しく話をすると、各種配送サービスの配送費は、サイズ別料金となっている場合がほとんどです。その為、倉庫スタッフが、ピッキング・検品した商品を、適正なサイズのダンボールを選択して、適正なサイズの荷物に梱包する事が重要となります。私個人の経験則ではありますが、人力(サイズセンシングされた自動梱包機)での梱包作業では、10~15%が上位サイズの梱包となっている場合があります。
また、ダンボール事態の種類が宅配サイズ内の適正なサイズである必要があります。適正なダンボールの種類と、適正な選択できる数であるのが大前提となります。物流委託をする場合、既に物流委託をしている場合それぞれにおいて、委託先の物流会社様へ下記を質問し、そして具体的な現場オペレーション業務の実態計測を依頼する事をお勧めします。
・「ダンボールサイズ一覧表と宅配サイズ適合表」
・「梱包作業時のダンボールの種類選択マニュアル・ビジュアル図」
・「最適なダンボールサイズ選択の実態計測方法について」
・配送費+梱包資材費のコスト削減の必須施策:最適なダンボールサイズと梱包時のダンボール選択方法の改善とは?→
見積り以外② 配送の実績データと照合(配送サイズ・地域別明細)
こちらも、見積りだけでは解決しない配送費のコスト削減の方法となります。
シンプルに説明すると、「配送サイズ・地域実績の実態調査」と検証(シュミレーション)、そしてギャップ改善施策の実行となります。
委託する際、または定期的に、配送サイズや地域別明細実績の検証することをお勧めします。委託先の物流会社様によって、配送サイズや地域別明細情報の開示を承諾されない会社もありますが、事前に依頼するのが良いでしょう。そして、事前に想定されていたシュミレーションとのギャップが大きいようであれば、実態調査を重ねるとよいでしょう。
見積り以外③
宅配サービスの不明確項目対策(返品、着払、中継、航空、沖縄)
こちらも、見積りだけでは解決しない配送費のコスト削減の方法となります。
シンプルに説明すると、見積りでは「実費となりやすい不明確な費用項目の明確化」です。
詳しくは下記になりますが、配送サービス毎に不明確な費用は変わってきます。
各配送サービスからの請求実績を見ながら、不明確な費用項目ごとに対策を打つことをお勧めします。
「宅配サービス内返品」「着払い料金の特別料金適用依頼」「中継料」
「航空便料」「北海道/沖縄料金対策」
見積り以外④ ECプラットフォーマ物流代行やメーカー直送便の見直し
こちらは、該当するクライアント様(物販企業)は限られていますが、一つの例としてお考えください。
一つの例は、「プラットフォーマー物流代行のコスト検証」「大物商品のメーカー直送化」についてです。
・アマゾンFBA、楽天スーパーロジと物流会社への物流委託併用の場合
どちらも、物流のプロである物流会社様と検討を重ねて、既成概念を外して、コストとサービスを検証しながら、最適な選択を検討していくことをお勧めします。特に昨今はECプラットフォーマーの物流代行サービスの実質値上げが高止まっておらず、サービスを利用した当初とは、大きく変化しているかと思います。
「配送費の見積り」を安くする方法 まとめ
物流の世界は、見えないところで私たちの生活やビジネスをサポートしています。
その中でも、コスト削減は多くの企業が追い求める大きなテーマとなっています。しかし、単純にコストを削減するだけではなく、それを実現するための適切な方法やアプローチが必要です。専門家からのアドバイスや具体的な解決策を学ぶことで、より効果的な結果を得ることができる場合もあります。
物流を外部に委託することや、適切な配送チャネルの選択など、さまざまな方法が存在しますが、最も大切なのは、自社のニーズに合わせた最適な方法を見つけ出すことです。このブログを通して、物流のコスト削減のヒントやアイディアを得ることができれば幸いです。
最後に、ビジネスの成功は小さな一歩から。物流のプロに相談することで、新しい扉が開かれるかもしれません。前向きに、そして賢く取り組みましょう。
私達、LogiGaden(ロジガーデン)では、
物流ノウハウや情報を発信する「物流ブログ」と、
良心価格で長く続けられる「物流コンサルティングサービス」を提供しています。
二つの取組みで、物流に携わる皆様のご支援ができるように努めてまいります!ので、
何卒ご愛顧のほど、よろしくお願いします。